公益財団法人教育支援グローバル基金|ビヨンドトゥモロー

ビヨンドトゥモロー15周年 Homecoming Day 2026 開催報告

2026年6月13日(土)、「ビヨンドトゥモロー ホームカミングデー 2026」を開催いたしました 。

ビヨンドトゥモローの設立から15年、当日は、ビヨンドトゥモローの現役生、卒業生、関係者、そして日頃から温かいご支援をいただいている皆様約60名が一堂に会し、再会を喜び合うとともに、それぞれの近況や学びを共有する濃密な時間となりました。

ホームカミングデーは、これまでにビヨンドトゥモローのプログラムに参加し、様々な逆境を経験しながらも社会のために力を発揮しようと歩み続ける卒業生や現役生、そして彼らを支える関係者が集う場所です。それぞれの場所で挑戦を続ける仲間たちが、再び集い、語り合うことで、これからの未来について考え、新たなつながりや明日への活力を生み出す機会となることを目指しています。

開催概要

日時

2026年6月13日(土)13:00 – 17:30 

会場

BofA証券株式会社(東京都日本橋)

参加者

ビヨンドトゥモロー現役生・卒業生・関係者・ご支援者の皆様 

協賛・ご支援

ファクトリーギア株式会社、ELSA Japan合同会社、株式会社LITALICO、NPO法人イエローエンジェル、グリーンコア株式会社

 

1. オープニングとご来賓からの温かいメッセージ

イベントの幕開けには、過去15年間の活動の様子をまとめたオープニングムービーが上映され、続いてビヨンドトゥモローの橋本大二郎代表理事より開会の挨拶が行われました。また、ご来賓として衆議院議員の加藤勝信様より、これからの時代を担う若者たちへ向けた激励のご挨拶をいただきました。さらに、会場をご提供いただいたBofA証券株式会社 取締役副社長の佐崎孝教様からも、心強い応援のメッセージを頂戴いたしました。

ビヨンドトゥモロー 橋本大二郎 代表理事 衆議院議員 加藤勝信様 BofA証券株式会社 取締役副社長 佐崎孝教様

2. パネルトーク&分科会ディスカッション

今年のメインセッションでは、テーマは「AI時代を生きる」をテーマにパネルトークを行い、モデレーターの菅野英那さん(卒業生)を中心に、各界で活躍するパネリストたちが、AIがもたらす社会的な影響や、AIが進化し続ける中で人間が持ち続けるべきリーダーシップについて語り合いました。

パネルトークの冒頭ではモデレーターの菅野さんが参加者全員のAIに対する認識を揃えるため、AIの現状と展望についての概況をお話しいただきました。

菅野さんは戦略コンサルティング会社から独立し、現在はAIを駆使して企画・デザイン・開発・マーケティングまでを一人で担い自社プロダクトを開発・運営しながら、企業へのAI導入コンサルティングも行っています。

1. AI技術の急激な進化(この3年間の変化)

  • 爆発的普及: 2022年11月のChatGPT公開からわずか数年で、毎週10億人が利用する規模まで拡大しました。
  • 人間を超える能力: 最新のモデル(Anthropicの「Fable 5」など)は、プログラミングなどの特定領域において、全人類が立ち打ちできないほどの圧倒的なスピードと正確性を備えつつあります。
  • 自己進化の始まり: AIが自らAIを改良し始める「シンギュラリティ(技術的特異点)」に近い状況が、一部の現場(エンジニア領域など)で現実のものとなりつつあります。

2. 2025年以降の展望:エージェント化と知の超越

  • AIエージェントの台頭: 単に会話をするだけでなく、AI自身が「何をすべきか」を自律的に考えて実行し、問題を解決する段階に入っています。
  • 汎用AIの登場: 数年以内にあらゆるタスクを人間のようにこなすAIが登場し、人類全体の叡智(知の集積)を超える可能性があると言及されています。

3. 社会や仕事への具体的な影響

  • 実務での活用: すでに「新薬の設計」「1対1のAI家庭教師」「700人分の接客をこなすカスタマーサポート」「無人タクシー」など、生活や仕事の根幹に関わる部分で実装が進んでいます。
  • 「作る」ことの変容: 菅野さんご自身も、当日使用したプレゼン資料をAIを使ってわずか数十分で作成されており、高いクオリティのものが即座に生み出せる時代であることを示されました。

4. なぜ今、ビヨンドトゥモローでAIを語るのか

  • AIが進化するほど「人間の社会的な役割」が変化していきます。
  • 一方で、人が一番辛いことを話す相手がAIになりつつあるという現状もあり、「逆境を乗り越える力」を持つこのコミュニティで、いかにAIと向き合い、どう生きていくかを問い直すことには大きな意味がある、と提起されました。

続くパネルトークでは、AIを単なる効率化のツールとして捉えるのではなく、AIには代替できない「人間らしさ」や「情熱」の重要性が再認識され、これからわれわれは何を学ぶべきか、そしてAI社会における人間の生き方とは、など深い議論が行われました。

 

パネリストの印象的な発言

小林 正忠 氏(楽天グループ株式会社 常務執行役員 Group CCuO (Chief Culture Officer)・ビヨンドトゥモロー理事)

  1. 「AIエージェントが進化すると、商品や販売者の信頼性まで自動的に判断して買い物を代行してくれる。そうなると、既存のプラットフォームは不要になる可能性もある。」
  2. 「人生の醍醐味は、自分が何者か、何が得意か分からないこと。最初から正解が分かっていたら、自分を追い込んで努力するのには限界があるのではないか。」
  3. 「自分の『好き』というエネルギーに嘘をつかなければ、周りの人や社会は必ず助けてくれる。まずは素直にやってみることが大切。」

    原 聖吾 氏(株式会社MICIN 代表取締役CEO)

    1. 「医療AIも進化しているが、AIの判断は初期診断で8割間違っているというデータもある。現状では十分な情報がインプットされていない中での判断にはリスクが残る。」
    2. 「AIによって色々なことが早く、良くできるようになると、その差分は薄まっていく。だからこそ、『何を課題として、どこに意思を持って進むか』というリーダーシップがより重要になる。」
    3. 「人間が試行錯誤して失敗することで得られる『やばそうだな』と感じる違和感や検知能力は、効率的な世界では失われやすい危険な能力かもしれない。」

      ベンチャー投資家 

      1. 「AIは結局、過去のデータの平均値(行列計算)を出しているに過ぎない。何が平均で、何が外れ値かを理解する仕組みを知らないと、使いこなすことはできない。」
      2. 「学びはすべて何かのための手段。数字や言葉の奥にある『感情』をどう読み取り、自分の弱いところをさらけ出してコミュニケーションできるかが最も重要。」
      3. 「見晴らしのいい場所(バンテージポイント)に行かないと、自分が何者かは分からない。早いスピードの環境に身を置き、自分にしかできないミッションをいち早く見つけるべき。」

        川西 満葉 氏(ビヨンドトゥモロー卒業生)

        1. 「AIが完璧ではないと分かっていてもそのまま使ってしまうのは、人間の『だらしなさ』。使う側のリテラシーが常に問われている。」
        2. 「AIに仕事を奪われるという不安が先行しているが、介護や医療、教育などのエッセンシャルワーカーの重要性や頑張りが正当に評価される社会になってほしい。」
        3. 「ビヨンドトゥモローで問われ続ける『なぜあなたがそれをやるのか』という理由。情熱や原体験に基づく、一見非効率な『やりたいからやる』という思いこそが人間らしさ。」

           

          また今回新たな試みとしてパネルセッション中に参加者からもSlidoを通じてリアルタイムで多くの質問や感想コメントが会場スクリーンに寄せられ、インタラクティブな場となりました。

          その後、会場で班に分かれた「分科会ディスカッション」を実施。テーマに沿ってそれぞれの考えや日頃の気づきを率直にぶつけ合い、全体共有の時間には各班から多様で刺激的な感想が発表されました。

          3. 協賛企業からのご案内と卒業生発表

          休憩をはさみ後半のプログラムでは、日頃の活動をご支援いただいている協賛企業の皆様(ファクトリーギア様、ELSA Japan様、LITALICO様)より、今後の若者たちの挑戦のヒントとなるような温かい機会づくりのご案内をいただきました。

          ご協賛企業様のプレゼンテーション

           

          卒業生プレゼンテーション

          続く「卒業生発表セッション」では、現在様々な分野で挑戦を続けている4名の卒業生が登壇しました。

          • カテリーナ・ステポシナさん:英語教師としての現在のお仕事についての紹介
          • 加藤弘絵さん:「一般社団法人みんなの留学部」での先進的な取り組みについての報告
          • 藤七海さん:インターン制度や「一般社団法人asolab」で学んでいることの発表
          • 中野紫響さん:ご自身の音楽活動の紹介とギターによる力強い歌唱パフォーマンス

          それぞれの持ち場で自らの道を切り拓く卒業生たちの姿に、現役生も大きな刺激を受けていました。

          4. 自由交流会とクロージング

          プログラムの最後には、1日の様子を振り返るダイジェストムービーが上映され、実行委員長の上澤さんからの挨拶をもって、公式プログラムは幕を閉じました。その後に行われた自由交流会では、軽食やコーヒーを片手に、久しぶりに再会した仲間や新しく出会った仲間たちと、時間が許す限り近況を報告し合い、笑顔の絶えない時間が続きました。

          参加者の感想

          “短い時間での参加となってしまいましたが、とても勉強になるお話を聞けて、また久しぶりにビヨンドの空気を思い出せてとても嬉しかったです。素敵な会をありがとうございました。また良い報告ができるよう頑張ります。”

          “素敵な時間を過ごすことができました。企画してくださった全てのスタッフの皆様に感謝しています。”

          今回のホームカミングデーも、多くの方々のご協力と温かいサポートのおかげで、参加した一人ひとりが明日への原動力を得られる素晴らしい時間となりました。日頃からご支援いただいているすべての皆様に、心より感謝申し上げます。

          ●Homecoming Day2026実行委員会

          ・上澤 知洋 (2012~2015年度奨学生)
          ・澤田 万尋 (2015~2016年度奨学生)
          ・山内 菜々夏(2018~2019年度奨学生)
          ・川西 満葉 (2022年度奨学生)


          Special Thanks to
          ・菅野 英那 (2013〜2014年度奨学生)

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