【活動報告】アジアサマー・プログラム2026 開催報告
この度、2019年以来7年ぶりの開催となるアジア研修を、インドネシアにて実施いたしました。インドネシアは、今まさに大きな発展の中にある国です。
若い人口を背景に経済発展を続ける一方で、環境汚染や廃棄物問題、災害リスクなど、多くの社会課題にも直面しています。
課題と可能性が隣り合わせに存在するその姿は、ビヨンドトゥモローに参加する学生が「グローバルリーダー」を目指す上で、非常に示唆に富んでいると考え、今回の渡航先として決定しました。
本研修の発表テーマは「起業家としてチタルム川の環境問題をどう解決するか」。
世界的にも深刻な環境問題を抱えるチタルム川にフォーカスし、その現実を自らの目で見て学び、課題解決を「起業家的視点」から検討しました。
「起業家」というテーマを置いた背景には、「社会へのインパクト」や「持続可能性」という観点を持って社会課題へのアプローチを考えてほしいという意図がありました。
グローバルリーダーを目指す若者としての視座をもって、ただ「やってみたい」だけではなく、「本気で社会を変えるには」という問いを持って異国の課題に向き合った6日間となりました。
今回の研修は、公益財団法人JKAからの助成金、およびクラウドファンディングでのご支援によって実現することができました。
【開催概要】
実施期間:
・事前東京研修 2026年9月2日(水)
・インドネシア研修 2026年9月3日(木)〜9月7日(月)
対象:
ビヨンドトゥモロー2022〜2026参加奨学生(大学1年生〜大学院1年生)8名
訪問地:
インドネシア(ジャカルタ/バンドン)
主催:公益財団法人教育支援グローバル基金
支援:公益財団法人JKA・クラウドファンディングでご支援いただいた皆様
協賛:グリーンコア株式会社
協力:フィデリティ投信株式会社
【事前オンライン研修】
7月〜8月にかけて、計3回のオンライン研修を実施しました。
「日本で調べられることはできる限り調べ、仮説を作ってから現地に行く」ことを目指し、濃密な事前期間を過ごしました。異国の環境問題に触れるにあたり、日本の過去の公害問題をリサーチしたり、それに対するアプローチの引き出しを増やすために、インドネシア以外の国の解決方法を調べたり。さまざまな角度から学び、考えを深めていきました。
【事前東京研修】
フィデリティ投信株式会社のオフィスを会場として使用させていただき、渡航直前の研修を実施しました。
学生たちは、この日初めて直接顔を合わせます。最初は緊張した様子も見えましたが、研修が進むにつれて打ち解け合い、スイッチが入っていく姿が印象的でした。
直前研修では、テーマに沿ったディスカッションや、フィデリティ投信株式会社の社員ボランティアの皆様との英会話トレーニング、ゲストトークなどを実施しました。
パネルトークセッションでは、ゴミ拾いをきっかけにまちづくりなどに取り組む特定非営利活動法人green bird、起業家育成などに取り組むNPO法人ETIC.、野生動物と人間の共生に取り組む株式会社Wildlife Venturesから3名のゲストにお越しいただき、「社会課題へのアプローチ方法は複数ある」ということを学び、アイデアを検討する上でのヒントをいただきました。
続いて、元インドネシア大使の石井正文様にお越しいただき、インドネシアの概況や日本との関係性、将来性や国民性など、幅広くお話を伺いました。
その後羽田空港へ向かい、その日の夜の便でジャカルタへ向かいました。
【インドネシア研修DAY1】
早朝にジャカルタに到着。
現地の電車のラッシュアワーや交通渋滞を体験し、人口規模の大きさに早速圧倒されつつも、見るものすべてが新鮮な様子で車窓を眺める学生たち。
現地に到着して最初に訪問したのは、在インドネシア日本国大使館。大使や広報部の皆様より貴重なお話を伺いました。
その後、インドネシア国内でさまざまな社会課題に取り組むイスラム慈善・人道支援団体Dompet Dhuafa(ドムペット・ドゥアファ)を訪問し、現地大学生との交流・意見交換を行いました。
夜は参加者同士でそれぞれの背景や自身の経験、考えを共有しあう「ビヨンドナイト」を実施し、それぞれが「今ここにある思い」を言葉にしました。
【インドネシア研修DAY2】
午前中は、Dompet Dhuafaが運営する施設を訪問し、病院やモスク、学校など、地域に根ざしたさまざまな取り組みを見学しました。午後には、日本のODAによる支援を受けて整備されたジャカルタの都市高速鉄道を利用してJICAを訪問し、インフラ整備だけでなく、人材育成などにも日本が貢献していることを学びました。
その後、カリバタ英雄墓地や歴史ギャラリーを訪問し、残留日本兵に関するお話を伺い、日本とインドネシアの歴史に触れることができました。
夜には、JICAの研修で日本に来て学んだ方々とのディナーセッションを開催。現地の伝統料理を囲みながら、インドネシア人から見た日本についてのお話を伺いました。
【インドネシア研修DAY3】
この日は、ジャカルタから高速鉄道に乗り、バンドンへ。
川の環境問題にソーシャルビジネスの観点からアプローチするRepair Projectを訪問し、今回のメインテーマであるチタルム川を直接見学しました。
これまでインターネットでリサーチしてきたチタルム川を実際に目にし、その課題の根深さを知るとともに、その問題に日々立ち向かう現地の皆さんのお話を聞き、学生たちはメモや質問が止まらない様子でした。
午後には、アンクルンの文化に触れることのできるサウンアンクルンウジョ劇場を訪問し、伝統芸能の竹楽器を体験。インドネシアの伝統文化にも触れました。
夜は、ディスカッションや中間発表会を実施し、この日までに学んだことを自分たちのアイデアにどう落とし込むか、熱心に話し合っていました。
【インドネシア研修DAY4】
日中は、バンドン工科大学の日本文化部の学生と街歩き。日本語と英語を織り交ぜながら、バンドンの街並みや歴史を学んだり、アニメや漫画の話で盛り上がったりと、同年代同士ならではの和気あいあいとした交流が行われました。
その後ジャカルタに戻り、最終発表会に向けて集中的にディスカッションを実施。
もともと考えていた仮説が、現地での学びによって壊され、さらに精度上がったアイデアへと磨かれていく様子が印象的でした。
【インドネシア研修DAY5】
ついに最終発表会。日本で調べた内容と、現地で実際に触れて学んだことをもとに、2つの班に分かれて英語でプレゼンテーションを行いました。
現地の正装であるバティックを着て、ステージへ。
今回の発表では、学生たちがこれまでの人生で経験してきたことや、大学で学んでいることが、それぞれのアイデアに生かされており、ビヨンドトゥモローとして大切にしてきた「自分だからこそできること」の観点が両班ともに詰まっていました。
また、今回訪問したさまざまな機関から得た学びや気づきもふんだんに取り入れられ、大学生ならではの柔軟な視点から、ユニークなアイデアが発表されました。
特に、単に課題を解決するだけではなく、「社会にどのようなインパクトを生み出せるか」「どうすれば持続可能な仕組みにできるか」という今回のテーマを意識しながら、それぞれの経験や学びを掛け合わせて考えられていたことが印象的でした。
アプローチは異なる2つの班でしたが、企画の作り方も、アイデアからボトムアップで考えたチームと、問題を分解してロジックで考えたチームと対照的で、お互いに学び合いが起こっていたのも印象的でした。
【参加学生の声】
・参加できて本当に良かったと思います。最初は色々な人がいて仲良くなれるのか、ディスカッションとか上手くいくのかなという不安があったけど、みんなそれぞれ周りを見ながら自分のできる最大限を尽くしていたから良かった。終ったあとにあそこまでやりきった感が出たのは、みんなが同じ方向を向いて頑張った結果だと思うので、そこはみんなを褒めたいし自分のことも褒めてあげたい。
・いつもと角度の違うテーマですごく面白かったです。自分の知らないことを知るきっかけになりました。ビジネスのことなんて普段考えたこともなかったけど、みんなに教えてもらいながら少しは勉強できたと思います。
・一歩先、という表現が一番当てはまりが良いかもしれない。まず、テーマについて、自分たちの身の回り、というこれまでのビヨンドを超えた一歩先の社会に目を向けた。次に、考える内容について、大枠としてこんな社会になってほしい、というこれまでの限界値を超えた一歩先の、そのためにこんな関わり方をする、という内容にまで踏み込んだ。また、メンバーとの関わり方についても、それもいいね、これもいいね、という許容から、それは違うかもしれない、もっと詰めた方がいい、調べが足りない、言語化が足りない、とお互いに指摘しあえる関わり方になったという点でも一歩先のかかわり方であった。大きく背伸びをするわけでもなく、でもだいたいこんなもんでしょうとはいかない、ちょうどよい成長環境が心地よくまた興味をもって関わり続けられた点であった。
・色んな年代の人がいて、普段ビヨンドにいたら学べない事を学べた。色々な経験をしてきた先輩たちがいたからすごく刺激を受けた。ロールモデルが見つかった。出会うことのなかった人と関われる場が出来て嬉しかった。











